ハニーワーム(ハチノスツヅリガ)の意図しない増殖の恐怖
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爬虫類の餌として半年前くらいに購入したハニーワームがデュビア養殖場で増えています。
もちろんはちみつなんて入れていません。
意外と生き延び、育っています。
ハニーワーム
ハニーワームとはハチノスツヅリガの幼虫で、スムシやブドウムシと呼ばれたりもします。
その生態は、ミツバチの巣に侵入し内部を食い荒らして成長する養蜂家からすると害虫な生き物です。
ですが、たっぷりはちみつなどの高栄養の餌があるところで育ったハニーワームは脂肪分豊富で、うねうね動いて爬虫類たちの食欲を誘う餌になります。
そんな嗜好性の高い餌との触れ込みから試してみたくなり、レオパ、カナヘビ、イロヌリアガマ、チズガメたちに与えてみましたが、イロヌリアガマとチズガメは食いつきがいまいちで余ってしまいました。
なんだかんだ使いつつ、気が付いたら1㎝くらいの地味な蛾が出てきて、部屋の中を飛び回っていました。
部屋の中はほとんど密閉環境で外に出ていくことはないだろう、そのうち寿命で死ぬだろうと思っていたら思わぬところに生き残っていました。
それはデュビアの餌として発酵させた広葉樹オガの中です。
おがくずの中で生き延びる
そんな感じに放っておいたら成虫はいなくなり、ハニーワームは消費しつくしたかと思っていたのですが、夏になって熱くなるとデュビア養殖場の周りに見慣れた蛾が現れました。
おがくずに卵を産み付けていたようで、デュビアケースの中にはたっぷりと膜が作られており、木質を食べて生きていたようです。
まさか木質をそのまま食べるとは思っていなかったので、気が付いたら大量に増えて、成虫が部屋を飛び回るようになっていましたが、やはり購入したプリプリのハニーワームと比べると貧相で、やせた幼虫ばかりです。
ただ、発酵がうまく進んでいないおがくずを食べて餌になってくれるので、結果的には重宝しています。
(成虫は邪魔ですが)
成虫が外に出ないようにだけ気を付ければ、勝手に餌が増えてなおかつ木質をデュビアが食べやすいように分解してくれます。
不評だったチズガメたちも何回も水槽にハニーワームを投入するとそのうち食べるようになり、現在では定期的に食べさせるようになりました。
餌虫の中でもハニーワームは特に生命力と繁殖力が強いようですので、使う場合は成虫になる前に使い切るか、管理できる環境で、成虫が逃げないような設備を作ったうえで増やすのが良いと思います。
蛾となって飛び回れる分、デュビアやレッドローチよりも意図しないところで勝手に増えるリスクが高いので注意して使うことをお勧めします。
幼虫の回収
意図せずに増えてしまったハニーワームですが、回収の仕方はなれると簡単です。
まず、ハニーワームの生活している環境は乾燥しているおがくずの中で、いる場所は糸を吐いて周囲を固めるので判別は簡単です。
おがくずをつかむと絨毯のようにある程度の厚みが面で取れますので取ってしまうか、そこに湿気を多く含む腐葉土やおがくずを振りかけます。
そうすると環境の変化に耐えられず、より良い場所を探して表面に幼虫が出てくるので、そこを捕まえてやるだけです。
デュビアの幼虫は比較的湿気にも耐えられるので、表面だけ薄く覆ってやって我が家ではハニーワームを回収しています。
現在は増えているハニーワームですが、そのうち寒くなるにつれて完全にいなくなってくれればいいなと思うほど増えてしまったので、使う場合は逃がさないように注意してください。
まとめ
こんなに過酷な環境でも増えるとは思っていなかったので一時期は部屋中にハチノスツヅリガが飛び回る光景を見ることになると思っておらず、対応が後手後手になって増えすぎましたが、幼虫を効率的に回収して消費できるようになったので最近は落ち着いてきました。
ハニーワームが成虫となり、ハチノスツヅリガになるととんでもないことになるので、できるだけ早く、成虫になる前に使ってしまうのが良いと思います。
養蜂家には害虫ですので、できる限り成虫を逃がさずに収束させましょう。