クロコブチズガメの卵の発生確認と交尾を促すクーリング方法
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カメの繁殖は、普通にざっくりと考えていると難しくなさそうと思うかもしれません。
ですが、チズガメ属は♀が♂の倍以上の大きさであったりと普通の環境ではまず交尾が成立しません。
♀が強すぎて♂がその気であってもすぐに払いのけられてしまいます。
我が家でクロコブチズガメの有精卵を確保できたことから僕が試したチズガメペアリングの環境について書いてみます。
チズガメ属のサイズ
まず、チズガメ属のサイズですが、♀が♂の倍以上の甲長があり、見た目では二回り以上の体格差があります。
カメでは♀が大きくなる種が多いですが、ここまで極端な種はあまりいないでしょう。
それでいながら交尾が成立しなければ繁殖はできないため、その体格差を埋める飼育方法をとって、上手く♂に働いてもらう必要があります。
カメ友に聞いてもチズガメの交尾は難しいということを思い知らせてくれる話ばかりで、積極的に情報を集めて、どのようにするのが良いのかしっかりと考えておく必要性を感じながら飼育しました。
昨年は初産で、何もせずに飼育していたため、無精卵ばかりでしたが、今年のセカンドクラッチでやっと1つの有精卵を確保できました。
ファーストクラッチが2つの無精卵、セカンドクラッチが5個の卵を産み、回収時に2つ潰してしまい、2つは無精卵。
発生が確認できたのは1つだけです。
ですが、とりあえずまず1つ、カメの繁殖の第一歩を進めたことはとてもうれしいことです。
クーリング
去年から今年の冬場にかけて、クロコブチズガメの1ペアを4カ月無加温クーリングして、交尾を促しました。
その間、甲長15cmの♀と甲長8cmの♂は狭い60cm規格水槽に同居し、完全に餌も与えない状態としていました。
♀はクーリング中ほとんど動かない状態でしたが、♂はのっそりと動いている姿は確認していましたが、明確に交尾行動は確認していません。
この方法はカメ友から聞いていた情報を総動員して実行しています。
- ♀は低温になると動きが止まるが、♂は低温でも♀より動く
- クーリング中に餌を与えると硝化不良で体内で餌が腐敗して死亡しやすい
- ♀に対して♂は多い方が良い(個体数の関係でできていませんが)
- 狭い水槽に閉じ込めると♂が動きやすい
これらを踏まえたうえで、親個体の安全も考えた方法として、完全な断食も踏まえた水槽をセットしました。
冬季完全無加温なので、室内に水槽があるとはいえ、水温15℃~5℃程度まで下がりました。
断食も考えたため、秋にはしっかりと食べるだけ食べさせて、体力をつけるようにもさせています。
この状態で4カ月、たまに水替えをする程度で放置し、3月ごろに少しずつ温めてクーリング明けとなりました。
クーリング開明け
クーリング明けは無加温15℃から徐々に水温をあげていき、1週間後に20℃になるように設定しました。
この間も完全に餌は与えず、完全にクーリング明けとなった段階で、本水槽に戻してから餌を与えています。
本水槽は加温して20℃にしているので、クーリング明けと同水温ですし、他のチズガメたちもいるので、普通に年中餌を与えています。
ここにこのペアを投入したうえで、普通に食べさせましたが、問題なく調子が上がっていき、5月頭にはファーストクラッチを産むように特に♀が爆食となりました。
そしてセカンドクラッチは卵を持っていることはわかっていながら引っ張って、7月初旬に産卵床に入れてやるとその晩のうちに産んでくれました。
まとめ
ひとまず有精卵を確認できたので、僕が試したクーリングの方法をまとめてみました。
チズガメの繁殖は初めてで、これからどうなるかまだまだといったところですが、このまま順調に孵化してほしいものです。
チズガメの繁殖に成功すれば、今度は本命のインドホシガメの繁殖にもより力を入れてチャレンジしていきたいと思っています。