亜種が多様なギリシャリクガメの分布地環境と魅力
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ギリシャリクガメと聞くと「ギリシャに住んでるの?」と思うかもしれません。
ですが。名前から連想するようにギリシャに集中して分布しているわけではなく、ギリシャ織のようなモザイク模様が特徴だとしてその名がついています。
ただ、その特徴が出るのは基亜種であり、様々な特徴を持った亜種が存在し、飼うことができます。
亜種の多いギリシャリクガメの特徴と分布地気候をまとめてみました。
ギリシャリクガメ
ギリシャリクガメの分布域は広く、地中海沿岸部と中東にわたって様々な亜種が分布しています。
ただ、亜種が非常に多く、専門家の間でも分類学上の議論が行われており、正確に亜種を特定することにあまり意味はないと思います。
大まかに黒系の強い亜種とクリーム色の強い亜種がおり、基亜種は黒系のムーアギリシャリクガメ(アルジェリア等)です。そのほか同じく黒系のコーカサスギリシャリクガメ(トルコ等)やクリーム色が人気のアラブギリシャリクガメ(シリア等)などがいます。
とにかく亜種が多いため、相当なマニアでも亜種の鑑別は難しいと思います。
そんな意味でもいろいろな特徴を持った子がいるこの種は面白いリクガメで、1種でありながら全く違う大きさや模様の個体に出会うことができます。
なお、自分が気に入った子をお迎えするといった方針で問題なく、あまり亜種間で飼育方法の違いなどはないといった点もポイントでしょう。
分布地気候
ギリシャリクガメについても分布地の気候を調べてみましたが、気温はほかのチチュウカイリクガメ属とあまり変わらず、どの亜種の生息地も日本とよく似た気候となっています。
▼分布地気温と東京気温の比較
特にこの種について気を付けるといったこともなく。リクガメ飼育の基本にのっとって飼育すれば十分に長期飼育できる種です。
▼分布地と東京の降雨量の比較
なお、湿度については乾燥系に分類されるだけあって、降雨量は日本の方が多くなっています。
他の入門種との違い
ギリシャリクガメはリクガメ入門種とされる3種の中で一番大型化する種です。
最大甲長30cm程度まで成長する亜種もいるため、そのような大きな個体を飼育する場合は飼育スペースを広く確保する必要が出てきます。
どの種についても飼育下繁殖個体(CB)であれば、特段飼育難度は変わりませんが、飼育をする場合はある程度大型化するリクガメであるといった認識を持っておいた方が良いです。
個人的に甲長30cmのリクガメを飼育するとするならば、120×60cmのケージは最低限用意したいと思いますし、屋内、屋外での放し飼いも視野に入ってくるサイズです。
小さい種が良いならヘルマンリクガメを選ぶべきだと思いますが、多種多様な甲羅の模様を楽しみたいならギリシャリクガメといった選択も良いと思います。
亜種
とにかく亜種の多いこのギリシャリクガメですが。亜種間で表現や大きさが全く違います。
亜種については海外のサイトですが、hermannihaven.comが詳しいので、ここから引用してご紹介します。
画像出展:hermannihaven.com
画像の一番上の個体が基亜種であるムーアギリシャリクガメ(モロッコ個体)で、ギリシャリクガメの名前の由来であるギリシャ織の模様が良く出たものになります。
その右の黄色味の強い個体がアラブギリシャリクガメで飼育されている中では人気種になります。
右端にいるヘルマンリクガメに似た個体はチュニジアギリシャリクガメで、チュニジアとリビアの地中海沿岸部に生息している亜種です。
その下にレバントギリシャリクガメ、左にアナムールギリシャリクガメです。
そして。左端がコーカサスギリシャリクガメで、イベラギリシャリクガメとも呼ばれています。
その上にムーアギリシャリクガメが来るのですが、こちらはアルジェリア個体です。
このように多種多様な亜種が存在して、しかも亜種間ですら分布地で大きく違うギリシャリクガメを見分けるのは非常に困難なのです。
まとめ
ギリシャリクガメの分布地気候を確認してみましたが、気温は日本によく似た環境であり、健康な個体であれば日本の環境に耐えられることが想像できます。
それでも調子の悪くなる、死亡してしまう個体が出るのは、湿度が影響していると僕は考えています。
ギリシャリクガメの魅力は亜種の多さで、どのような個体を選ぶか迷ってしまうかもしれませんが、最後は自分の好みの個体を選ぶと良いと思います。
参考:入門種リクガメ飼育方法