ロシアリクガメ飼育を分布地気温・湿度から考える
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(画像出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%84%E3%83%
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リクガメの入門種としては難しい部類に入るのがロシアリクガメです。
ロシアリクガメはアジア中央部に生息しており、旧ソ連領から輸入されていたため、ロシアリクガメといった俗称で呼ばれています。
ですが、日本語の正式名はヨツユビリクガメ、学名からとったホルスフィールドリクガメとも呼ばれています。
ここでは、ヨツユビリクガメの分布環境のデータを交えて飼育環境を考察していきたいと思います。
ヘルマンリクガメ生息地の気候
ロシアリクガメは中央アジアに分布しており、気候は日本に似た環境の場所が多い中、生息地の北限では北海道のような寒帯の気候になるような場所にも生息しています。
下図で東京の気温(赤線)と分布地の都市との年間温度推移の比較をしています。
これを見るとロシアリクガメの飼育が入門種の中では難しいとされているのは、販売されている個体に野生下採取(WC)個体が多いためだとわかります。
気温についてはむしろヘルマンリクガメよりも耐性がありそうな分布域であり、この種についても日本の気候であれば年中屋外飼育ができると考えられます。
ヘルマンリクガメの方が、飼育が簡単といわれるゆえんとしては飼育下繁殖個体(CB)が多いためで、CBであればロシアリクガメも十分に初めて飼育するリクガメの選択肢として良いと考えます。
これに対して、降雨量を見ると日本の方が多くなりますが、イスラマバードでは温帯夏雨気候であり、雨季がある地域になります。
また、気温は最高で40℃に迫るほど熱くなりますので、高温耐性もある種になります。
高湿度にも耐えられるようで本来は非常に環境耐性が高い種であるということがこれらのデータからわかりますが、WCということが飼育を難しくしています。
それほどまでにリクガメのWCとCBの飼育難易度は変わるものであり、我が家でもブリーダーさんから直接譲っていただいたインドホシガメは全く手がかからず非常に楽に飼育ができています。
ロシアリクガメの飼育環境
以上の現地気候情報より、ロシアリクガメはヘルマンリクガメの飼育環境の延長で飼育が可能です。
リクガメは非常に運動量が多いためケージサイズは大きくなくては運動不足になってしまいます。
ここまで低温耐性があれば冬眠させて飼育することも十分に選択支として考えられると思いますが、体調は必ず夏に上げておいて、問題がないことを確認したうえで冬眠をさせてください。
調子が悪い状態で低温にさらすと免疫力がかなり低下してしまい、状態がかなり悪化します。
飼育初年度に冬眠は考えず、保温飼育をするのが良いと思います。