カメ水槽にも応用できるマリンアクアリウムの脱窒濾過システム
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マリンアクアリウムで気になるところは水質です。
特にソフトコーラルにしてもサンゴを飼育している場合は硝酸塩濃度にかなり気にして維持しています。
一度ミスにより水槽崩壊は経験しましたが、我が家では比較的低栄養塩で水質を維持できています。
水質の維持
水質についてはアクアリウムをしている人は大なり小なり良く気にしていますが、マリンアクアリウムの人はかなり厳しい目で見て維持を目指している人が多いです。
水質維持のやり方も頻繁に水替えをしたり、大きなサンプに大きなプロテインスキマー設置して大水量と強力な濾過で維持したり、海藻に栄養塩を教習させたりと人それぞれの方法で低栄養塩環境を維持しています。
それに対して我が家の海水水槽は60×20×30と大きくなく、水量も36ℓと少量で維持しています。
現在は崩壊からの復興中で、ヤエヤマギンポや貝だけがコケ掃除をしてくれておりコケも減ってきました。
特に餌を入れる必要のある生体はいないものの、ソフトコーラルの導入は続けており、少しずつ復興しています。
今回、キンギョハナダイ、ウミトサカ、ウミキノコの導入をもって水系が復活し、餌の投入(栄養塩の増加要素)の再開も始めます。
ただ、これで終わらず、水質の維持ができるようなシステムを構築できれば、最終目標はマリンアクアリスト憧れのミドリイシなどの高難易度なSPSハードコーラルの飼育も挑戦したいと考えています。
そうなれば、水質の維持に全力を注いで、持てる知識のすべてでいろいろと試しながらシステムの構築をしていきます。
これまで、水質維持についての実験を続けてきた結果を今回はまとめてみようと思います。
嫌気性脱窒
現在はコケやデトリタスを処理してくれる生体のみであるため、かなり低栄養環境になっており、有機物もあまりない環境となっています。
ですが、全盛期だった半年ほど前は毎日数gの餌を投入して、スズメダイとベラが食べていましたが栄養塩はほぼゼロを維持できていました。
水替えももちろんしますが、頻度は低く、基本的には2週間に1回半換水するだけでした。
それでも維持できていたのは、上手く嫌気性脱窒細菌をコントロールできていたためであると考えています。
嫌気性脱窒は失敗すると硫化水素が発生するリスクがありますが、底砂の嫌気層に達する硝酸塩と有機物の比率がうまく維持できれば問題なく維持できます。
我が家の水槽では、底砂は5cmほどの厚さで嫌気層を作るように設計しているので、もとから嫌気性脱窒最近に頼る気で構築しています。
水量も少なく、サンプも設置していないので、サンゴ飼育には強力な生物濾過が必要であると考えたためです。
もっと多くの水量とでかいサンプを設置すれば安定するのはわかりますが、コンパクトに飼育したかったため、情報収集をして一番コンパクトに飼育できるこの方法にしました。
この方法で水質を維持するポイントとしては、硝酸塩濃度を測定する頻度を上げたり、サンゴの調子によって見抜いたりしながら、少しだけ硝酸塩がある状態を確認し、状態に合わせてみりん(有機物)を適量投入することです。
みりんの添加で嫌気性脱窒細菌を活性化させ、硝酸塩を脱窒させます。
ですが、みりんを添加しすぎると硝酸塩が全くなくなり、増殖した嫌気性細菌が硫化水素を発生させるため、あくまで添加はしすぎないようにする必要があります。
その状態でできるだけ硝酸塩濃度を低くするために検水をするといったことで、検水頻度は多くなります。
検水には以下を使用すると良いです。
この方法の一番のデメリットが検水頻度です。
▼脱窒までの反応
水替えを減らすために
硝酸塩濃度は上記のシステムで晴らすことができましたが、魚はともかくサンゴを調子よく飼育するためには微量元素の添加が必要です。
我が家の海水水槽では以下2本を添加して水質をできるだけ保とうとしています。
ただし、サンゴの調子を見つつ、調子が悪い場合などは水替えを行うことが調子を維持するうえで一番簡単な方法なので、状況を見つつ水替えを行っています。
なお、水替えにはスーパーで無料で手に入るRO水を使用しており、水替えで栄養塩が増えることも避けています。
水量が少ない水槽のメリットはこのようにしてきれいな水を賄えることです。
まとめ
リスクが高い方法としてあまりされていないようですが、嫌気性脱窒は意外と簡単に硝酸塩を処理できる方法だと思います。
カメ水槽にもこの考えの延長で脱窒濾過槽を作っていますがこちらは何もしていないです。
元から超高栄養塩で有機物もいっぱいなので特に管理しなくても脱窒ができていると検水から確認しています。