爬虫類ペットの人気と「お迎えしたい病」の実態
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リクガメを含む爬虫類ペットの利点は、哺乳類よりの飼育の手間がかからないことが挙げられます。
我々のような哺乳類(恒温動物)であれば基礎代謝がかなり高いため、水切れや餌切れに弱く、頻繁に食べたり飲んだりしなくては生きていけません。
その点、爬虫類は水切れや餌切れにも長期間耐えることができます。
旅行などの外出
ペットを飼育するとなった場合、大きな問題点としては、旅行や出張など長期の外出時にどうするかといったところがあると思います。
親戚友人やペットホテルに預けるなどの対応方法はありますが、皆がこういった方法をとれるわけではなく、預ける場所がないため、飼育をあきらめる人もいるのではないでしょうか。
それに対して、爬虫類はあまり手間がかからず、餌を1週間以上与えなくても大丈夫な種が多くいます。
この点が、最近の爬虫類人気につながっていると思います。
我が家でも、インドホシガメを筆頭に20頭程度の爬虫類を飼育していますが、4日程度であれば安心して家を空けることができます。
ただし、飼育環境がしっかりと整っており、一部の設備が故障しても病気の原因になるような問題が発生しないようにバックアップの暖房設備はおいて、温度が下がったらサーモスタットで起動するようにしてはいますが。
なお、夏場であればインドホシガメでも何もしないで、餌と水だけ入れて、家を空けることができます。
リクガメや水棲カメも強いですが、ヘビやトカゲはもっと強いです。
ヘビであれば1年飲み食いしなくても生きていられる種もいますし、トカゲも平気で1月くらい断食させても生きています。
そのため、哺乳類よりも飼育を始めるためのハードルがかなり低くなっていると思います。
餌の革命
また、爬虫類を飼育しやすくしたのは、良質な人口餌が開発されたためでもあると思います。
水棲カメは変わらず配合飼料で、リクガメは野菜、ヘビは冷凍マウスなどこの辺は変わりませんが、トカゲ、ヤモリについては昆虫を餌として使わなくても飼育できるようになったのが大きいです。
若い世代では、トカゲ、ヤモリが特に人気で、飼育を始めたばかりの人は大体レオパから入る人が多いと交流を通して実感しています。
レオパについで多いのが、フトアゴヒゲトカゲやアオジタトカゲのような中型のトカゲやコーンスネークやボールパイソンのようなヘビの入門種といったところです。
爬虫類飼育を始めて意外だったのが、水棲カメ、リクガメ含めて、カメの人気があまり大きくないことで、あまり最近の爬虫類人気の恩恵は受けていないと感じています。
爬虫類飼育を始めると大体陥ること
爬虫類の飼育を始めた初期の人は、大体「お迎えしたい病」にかかっている率が高いと感じています。
僕もかなりまとめて飼育数を増やしたので人のことは言えませんが、イベントなどで衝動的にお迎えしてしまうことが多々あるペットが爬虫類です。
自戒を込めて、ここでは自分の経験を書いていますが、予定なくお迎えをした場合、大体苦労して自分のリソースをかなりつぎ込んでセッティングをする必要があります。
飼育個体に余裕があるときにお迎えをできたことはまだよかったとは思いますが、数年前の11月ごろから約一カ月でインドホシガメを5頭お迎えした時は3カ月ほど毎日作業して環境を整えていました。
まず♀狙いで3頭は予定通りにお迎えしたものの、2頭が中耳炎と鼻水で調子が悪く、闘病生活に入りでした。
この状態で非常に良いペアを譲ってもらえる話が出て、お迎えを即決してからは毎日が忙しい状態が続きます。
先住の1頭含め4頭は健康で2頭は闘病中ですが、環境も構築中なので余裕がほぼなかったです。
何とか他の飼育個体も無事に冬を越せたため、問題は起きず、今でもこの6頭は無事に我が家で元気に歩いていますが、今後は自分のキャパシティを守って飼育したいと思った経験でした。
この経験が今の飼育方針につながっています。
お迎えしすぎのリスク
この経験から、お迎えをしすぎるとどうしても自分の目の届かなくなるモノが出てくるといったことを痛感しています。
目が届かなくなると、変化を見逃してしまいますし、問題が起きた場合に冷静に対応ができなくなります。
爬虫類の場合、飼育環境が悪くて体調が悪くなりかけの時には何も症状を示さず、いざ症状が出てみたらすでに重症になっているといったことは多々あります。
そのため、日々の観察は欠かせませんが、飼育個体を増やしすぎるとどんどんおろそかになっていきます。
どうしても1人で面倒を見切れる範囲は限られているので、なるべく普段は余裕をもって生活できる範囲で爬虫類飼育という趣味を楽しみたいものです。
まとめ
爬虫類は飼育の手間があまりかからず、小さいスペースで飼育できる種が多いです。
ですが、まだいけるとお迎えをしすぎると知らぬ間にキャパシティオーバーになってしまうかもしれず、多数の個体を飼育する場合は勘と経験から適切な範囲内で飼育をしたいものです。
お迎え欲にあらがって、飼わない選択をできるのも熟練した飼育者になるためには必要だと感じており、最近はイベントに行っても人と会ったり、生体を見たりするだけで帰るトレーニングをしています。