インドホシガメ ワシントン条約 付議書1 昇格提案について思うこと
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2019年5月~6月に行われるCITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:ワシントン条約)締結国会議CoP18にインドホシガメを附議書Ⅱから附議書Ⅰへの昇格が提案されることになりました。
この提案が通り、附議書Ⅰに昇格した場合、商業目的での国際取引が国際的に規制され、国境をまたいでの正規の輸出入は研究目的等の理由なくしては実質的になくなります。
インドホシガメは既に分布国国内法では輸出規制されていますので実質的に国際協力を求めた格好です。
CITE提案文書 序文要約
インドホシガメは容易に捕獲できるため、採取圧に非常に弱い上に捕獲されても生存率が低く、人が繁殖まで行えていないのが現状である。
分布国(インド、パキスタン、スリランカ)の国内法だけでは違法取引を阻止するのに十分ではなかった。
国際的規制強化を求めるためCITES1に昇格させるべきである。
インドホシガメは水棲カメ、リクガメ含め、最も採取されている単一種の一種である。
例としてインドの密輸事件の1/4に本種が絡んでいた。
動物園や個人が小規模に繁殖している例はあるが、ペット需要にこたえる大規模に繁殖している施設はない。
生息地の低木林が果樹園や農地に開発され、生息に適した環境の面積が減少している。
水棲カメ、リクガメともに国際違法取引による過剰採取の危険があるため、CITESの重要な注意対象となっている。
これらを加味するとCITES1に昇格させる基準を満たしていると考えられるため、規制の強化を求める。
飼育者としての所感
この提案は、インド、バングラデシュ、スリランカ、セネガルから出されています。
分布地であるインド、スリランカが対応を強く求めていることを感じさせる提案文書で、密輸の実態を考えると昇格は種の存属に必要であると感じました。
日本にも密輸と思しき個体が入ってきているようですので、規制の強化を望む気持ちです。
我が家には貴重な個体が6頭もおり、当初から繁殖を目標としているため、特段飼育方針への影響はありませんでしたが、これを受けて繁殖を目指したくなる人もいるのではないでしょうか。
将来的には国内で取引される個体は高騰すると予想して、投資目的で飼育を始める人もいるかもしれません。
ですが、インドホシガメは飼育方法にクセのある種であり、ある程度のノウハウや感覚が身についていないと生かすことだけでかなりの労力が必要になると思います。
リクガメを飼ったことがない人か手を出してもかなりの確率で調子を悪くしてしまうと考えていますので、しっかりと実力のある人が、繁殖を目指すべきだと思います。
分の悪い投資ですので、転売目的やリクガメの飼育経験もなく安易に飼育を始めるのはやめておいた方が不幸にならないで済みます。
初めてのリクガメがインドホシガメであった僕は、当時の生体購入代金よりも多額の費用を飼育設備や電気代に投入して環境を構築して、やっと生かしていた状態でした。
初めてのインドホシ その経験から、いま国内にいる個体はしっかりと飼育ができ、繁殖が目指せる人に飼われることがこの種の国内での将来を決めていくと考えています。
2019年8月5日の夏レプで