リクガメを健康に飼育するための超重要なポイントまとめ
リクガメは爬虫類の中でも非常に愛らしい見た目としぐさをしており、ペットとして飼育される爬虫類の中では一番哺乳類に近い可愛さを見せてくれます。
また、入門種では1万円程度でお迎えでき、寿命が非常に長い一生の付き合いができるペットです。
基本的なリクガメ飼育方法はこちらにまとめています。
入門種
基本的に入門種と言えども飼育は難しいのがリクガメです。
日本と気候の近いチチュウカイリクガメ属でも、ケージ内で人が作り出した環境で飼育するのは難しく、冬には苦労することが多くなると思います。
飼育難易度的にはケージ飼育よりも年中室外放し飼いの方が簡単であると考えていますし、実際に年中放し飼いで繁殖まで成功させている人もいます。
入門種としては以下三種が良く飼育されています。(下に行くほど難しい)
・ヘルマンリクガメ
・ギリシャリクガメ
・ホルスフィードリクガメ
入門種としましたが、これはあくまでCB(飼育下繁殖)個体に限ったことであり、WC(野生採取)個体であれば調子の悪い状態のままで売られている場合も多いので、WCの難易度はグンと上がります。
入門種であれリクガメの飼育経験がない場合は調子のよいCB個体を選ぶことが長期飼育を目指す大前提になります。
初めにお迎えする個体を選ぶ確認ポイントとしては以下の3点です
・鼻水がでていないこと
・目が潤っている(生気がある)こと
・よく動くこと
これらを確認することで個体の健康度合いがわかりますので、より調子のよい個体を選んでください。
このポイントがすべて真逆で悪い方に当てはまった場合は入門種であっても生かすためにはかなりのスキルを必要とするか、生かすこと自体もすでに難しい個体です。
ここまで調子が悪いと入門種でも立ち上げるのはちょっと鼻水が出ているインドホシガメの方が簡単です。
心構えと楽しみ方
カメはかなり長寿で一生の付き合いをできる生き物です。
20年、30年と飼育を継続できている人もおり、順調に飼育ができるとかなり長い間その個体と向き合うことになります。
そのため、軽い気持ちで飼うことは不幸な結果になりますし、人の方が先に調子が悪くなって飼育継続が難しくなる可能性もあります。
基本は終生飼育を目指すことであると思いますが、僕は飼えなくなった場合に次の人に託すところまでが飼育者のやるべきことだと考えています。
長いこと付き合える生き物だからこそ、同じようにリクガメを飼育している人との交流をして、悩みの相談や飼育方法の情報交換などをできるようになれば、リクガメ飼育がより楽しくなると思います。
知り合いのリクガメ飼育者がいれば困ったときに助け合えますし、飼えなくなった場合にも信頼できる人に自分の育て上げた個体を託せます。
そのような人間関係を作ってみるのも面白いことです。
飼育環境
ケージサイズと温室度
先にケージ飼育は難しいと記載しましたが、これは主に湿度に絡むものです。
入門種であれば日本と似た気候の場所に分布しているため、無加温でも飼育が可能です。
ですが、ケージ飼育の場合は以下の条件を目指す飼育者が多いようです。
・飼育ケージ90cm~120cmケージ
・温度20~30℃
・湿度50~60%
入門種は乾燥系リクガメといったくくりに入っていますが、湿度は50~60%となっています。
「乾燥系」と聞くとカラカラの空気で湿度30%程度かなっと思うかもしれませんが、日本の春、秋のような湿度です。
ここで、この状態をすぐに作って維持できるならば問題ないですが、冬場に50%の湿度を維持するのは毎日ある程度の手間をかけてやる必要があります。
ただでさえ乾燥しすぎな冬場の空気に加温を入れてやるということは、何もしないと湿度が極端に低い、高温低湿な状態になることを意味しており、気づかないうちに超低湿度環境になる可能性があるということです。
そうなると人間も風邪をひきやすくなるのと同じく、リクガメも鼻水や肺炎にかかりやすくなりますので、ここから命にかかわる状態になる場合が非常に多いです。
そのため、リクガメ飼育では入門種と言えども湿度にかなり気を配って飼育することが冬場を乗り越えるためのキモになります。
定期的に湿度を確認して加湿を行うことが冬の飼育では必須です。
僕はインドホシガメ飼育もベースは同じで、ただ要求温湿度が高くなっただけだと考えていますので、入門種を1年以上飼育できている人であれば、インドホシガメ飼育も十分に可能だと考えています。
多頭飼育
入門種とされているリクガメについて、多頭飼育はお勧めできません。
これらの種は気性が荒い個体が多く、特に発情期になれば♂同士でぶつかり合って負けた個体が弱っていく場合が非常に多いです。
ペアや♀同士でも個体間の強弱が強く出るため、常に多頭飼育を行うことはリスクがあります。
この点はインドホシガメの方が楽で相性はあまり気にしないでも大丈夫です。
餌
餌は野草や野菜などを与えます。
リクガメ用配合飼料もありますが、たんぱく分が多すぎて、これだけで飼育することは結石などの病気につながる場合もあるので、配合飼料を使うにしても野草、野菜とバランスよく与えることが必要になります。
餌についてはどのリクガメでもバランスよく餌を考えることは必要ですので、一つの野菜だけにならないようにメニューを考えることも楽しみの一つになります。
まとめ
リクガメ飼育は決して簡単ではなく、日々の体調の確認や飼育環境の維持など爬虫類の中では手間のかかる生き物です。
ですが、リクガメはかわいいしぐさをして癒してくれる良いパートナーとなることができるため、飼育したいと思っている、飼育を始めた人も多くおり、健康に飼育していくための情報を正しくまとめて行く必要があると感じています。
そのうち飼育ノウハウが広く一般的なってインドホシガメ含めてリクガメの敷居が下がればと考えています。
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