インドホシガメの医学-中耳炎-
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僕がインドホシガメを飼育していて一番体調を崩したあとに立ち直らせることができたのは中耳炎を患っていた子です。
そのとき我が家にいた個体は♂ばかりで、とにかく繁殖のために♀が欲しいと考えていました。
そんななかでようやく見つけた♀個体は鼻水+中耳炎で非常に調子が悪かったですが、なんとか建て直してやりたいと思い、お迎えしてしまいました!
もちろんお迎え後すぐに病院行きです!
中耳炎の原因と症状
中耳炎の症状は見た目ですぐに判別できます。
耳にあたる箇所が腫れており、通常であれば若干へこんでいるべき場所が膨らんでいます。
この膨らみのなかには膿が溜まっており、これを取り出してやらないと完治は難しいです。
また、中耳炎になる原因は不衛生な環境であり、適切な飼育環境の維持が出来ていない場合に発生します。
なお、我が家で立て直した個体は呼吸器感染症も併発しており、中耳炎治療の前段階として鼻水治療を1ヶ月ほど行った後に中耳炎の治療に移りました。
中耳炎の治療には手術が必要で、相当体力を消耗しますので、他の病気がある程度おさまっているまで立て直しておかないとなかなか難しいと感じました。
動物病院の先生に相談した際も初回は鼻水の治療薬を処方していただき、鼻水治療に専念しており、中耳炎はある程度回復してから対応となりました。
鼻水回復とあわせて、これ以上病状が進行しないようにも対応を行いました。
ホットスポット付近の床材だけを雑菌が繁殖しないように乾燥させておき、湿っている場所と乾燥している場所を完全に分けて、ホットスポットの温度は1日中40度超えをキープしました。
このような環境でレタスのように水分が多く消化しやすい餌をメインに栄養もタンポポのような栄養価の良いものを取りに行き与えました。
2週間位経過すると、食欲が増して来たため回復を実感し、小松菜などの普通食に変更です。
3週間も立てば体重の増加も確認でき、ひとまず安心できました。
このように体調を整えてからの手術です!
手術当日
手術当日は朝早くつれていき、夕方に手術後のカメさんをお迎えして帰宅でした。
昼の間に手術が行われているのですが、その間は時間を潰して待機しかできません。
手術といっても上皮を切開して中の膿を掻き出すだけです。
▼切開後の傷口
それでも心配で、大丈夫な姿をみたい気持ちで一杯です。
病院についてから何度も総排泄穴から水を出して嫌がっている様子を見せていました。
体重が激減しないか心配です。
そんな様子で待っていましたが、結果は良好で、抗生物質の注射だけでその後の通院も無く完治出来ました!
ただし、大量に水を出していたので体重は20%減でした。
▼治療後の体重変化
こんなに体重が減って大丈夫なのかと非常に心配しましたが、なんとか復活して今では成長盛りです!
傷口もふさがり、膨らみも無くなっています。
▼治療8ヶ月後の傷口
治療にかかった費用は2万円程度で、インドホシガメの生体価格からすると高いのかと思いますが、生物を飼う覚悟をしたなら必要な費用として対応するべきであると考えます!
まとめ
なかなか経験のできないと思うカメの中耳炎治療ですが、体調を立て直しておけばなんとか乗り越えられました。
真冬の厳しい環境下で治療に成功したことはインドホシガメ飼育への大きな自信へと繋がっています。
中耳炎は放置しておくとどんどん膿が溜まり相当なストレスになるようですので早期に治療することが重要です!
耳が膨らんでいるカメさんを飼育している場合は早期に動物病院へ受診することをお勧めします。