インドホシガメの飼育ノウハウ まとめ

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2019年1月9日追記 序文 ワシントン条約付議書Ⅰ昇格提案を受けて

インドホシガメがワシントン条約(CITES)付議書Ⅰに提案されました。

会議自体の結果を見ないとどうなるか結論は出ませんが、駆け込みで買いたいと考える人がいると思います。

(主に金銭目的で)

ですが、インドホシガメは飼育に手間のかかり、クセのある種です。

金銭目的などではなく、純粋にこの種の未来を考えて飼育、繁殖できる人に飼育してもらいたいと考えます。

 

本記事は青文字個所に詳細内容のリンクを張っています。

ここではざっくりとまとめていますが、詳細はそちらでご確認ください

本題 飼育方法

具体的な温湿度などの数字を使って本記事では説明しますが、これはあくまでも健康な個体に対しての数字です。

 

病気の個体の場合は治療を優先するべきであり、治療のためには動物病院と合わせて、闘病環境も必要となります。

また、分布地気候もまとめており、飼育環境の温度や湿度の参考にしています。

 

なお、僕は1年以上経過した個体しか飼育したことがありませんので、ベビーの飼育にはこの方法では不十分であります。

 

また、飼育環境の違いも個体差もいろいろあってのリクガメ飼育でありますので、情報の取捨選択は常に必要です。

 

安全で健康にインドホシガメを飼育するため、一飼育者がまとめた飼育方法についての意見として参考の1つににしていただければ幸いです。

 

インドホシガメを飼うための心構え

 

我が家では一部屋インドホシガメ専用に使用して、室内に温室を設置しての飼育ですのでケージ飼育とは大きく異なる点があります。

 

引っ越しまでしてインドホシガメ飼育に最適な環境を手に入れて、作って飼育に挑んでいます。

 

▼我が家の飼育設備平面図

 

ここでは、出来る限り一般的な設備やスペースを考えたケージ飼育について記載しますが、それでも人によってはなかなか難しい要求環境となるかもしれません。

 

僕が初めて飼育したリクガメがインドホシガメで、非常に苦労した経験からこれから飼育したいと考える人にはまず、インドホシガメ飼育にはどれくらい労力がかかるのかを知ってもらったうえで飼育するかを検討していただきたいと思います。

 

将来的に成長して大きくなること、飼育設備の要求レベルや維持難易度など非常に飼育に労力がかかる種であることを考えると「飼わない選択」もまた重要であると思いますので、どうしようか迷っている人の決断の手助けになれば幸いです。

 

▼インドホシガメの寝顔

寝顔や歩いている姿はとってもかわいいですが、インドホシガメはリクガメの中でも難関種であり覚悟して飼わないと不幸な結果になってしまう可能性があります。

 

リクガメの入門種で飼育スキルを高めてからインドホシガメ飼育に挑戦するのがリクガメを飼育したことのない初心者には良い選択となるでしょう。

リクガメ飼育の入門種はヘルマンリクガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメになります。

 

インドホシガメの要求する温湿度

 

インドホシガメは高温多湿で飼育するのが基本で日本の夏のような蒸し暑い環境を非常に好みます。

 

あまりに高温(空間温度40℃近く)となってしまった場合でも簡単に死亡することはありませんが動きが緩慢になり、休んでいること(夏眠)が多くなります。

 

高温に対しては非常に耐性の高い種ということができます。

 

ですが、湿度は温度と切り分けて考えるべきであり、低湿度であれば脱水症状になる可能性もありますので、湿度管理も合わせて考えることが重要になります。

 

つまり、高温であっても、湿度が低いと飼育環境としてよいものといえません。

 

一番活発に活動する温度は28~32℃のあいだで目標とする空間温度はこの程度とし、バスキングライトか直射日光でさらに温度が上がる40℃程度のホットスポットとなる場所を用意してやることが必要です。

 

温度だけ気にして加温している場合、湿度は相対的に下がってしまうので、加湿も忘れずに行う必要があります。

 

これと合わせて湿度の維持は非常に大変で、夏以外、特に冬場は湿度80%を目指して加湿器の水を毎日朝晩と入れて対応します。

 

加湿器はスチーム式か超音波式加湿器で強制的に湿度を上がる必要があり、湿度80%を目指すためには水の蒸発だけを主にした気化式では間に合いません。

 

しかし、超音波式は雑菌をばらまく恐れがあるため定期的な清掃も必須です。

 

そのため、最低でも週に1回は加湿器の清掃も必要なメンテナンス項目に加わってきます。

 

紫外線については、直射日光を当てられない場合は最低でもUVBライトを使用します。

 

更に、我が家では夜間用のホットスポットも別に用意しており、いつでも望む温度に移動できるように温度勾配を意識した設備設計をしました。

 

夜間用のホットスポットはパネルヒーターや暖突、ひよこ電球、セラミックヒーター、温室用パネルヒーターなどを使用しています。

 

湿度と温度が低下した場合、鼻水の症状が出る場合がよくありますので設備の状態は生体の健康チェックと合わせて毎日行います。

 

インドホシガメ含むリクガメ飼育では湿度管理は温度管理よりも重要で飼育のキモであると僕は考えています。

 

鼻水をだしている場合は飼育環境がよくないため環境の改善と治療をしてください。

 

このように高温多湿の環境を要求することから、通気性は無視したケージで飼育するのが一番安全な方法となります。

 

(ある程度の通気性は衛生上あるに越したことはないが、ケージ飼育では難しい)

 

維持する湿度は最低でも60%(短時間)、基本的に80%程度をキープすることを目標とした飼育設備をそろえます。

 

健康でかつ1歳以上の個体であれば、一時的に(1日程度)湿度が下がることはあってもなんとか耐えてくれますが、かなり危険です。

 

なお、最悪の状態である低温低湿では体調がよかった個体でもすぐに鼻水に繋がります。

 

危険ですので低温低湿であるとわかればすぐに飼育環境の改善を行って対策をして下さい。

 

飼育環境の状態を確認しつつ、ケージの半分程度は床材に水を撒いて湿っている環境を維持するのが湿度管理としては比較的簡単です。

 

また、調湿機能を考えた場合、インドホシガメの飼育に適しているケージは木製であり、ベストは耐湿性のある材(杉、ヒノキ、ブナ等針葉樹系)で作成されたものであると考えます。

 

床材は保湿性の高いヤシガラがベストです。

 

温湿度の管理はインドホシガメ飼育で一番難しく、それでいて一番大切なことです。

 

健康に育てるためには外気温がいくら寒くても絶対に25℃湿度60%は切らないように維持してください。

 

我が家では20℃まで下がる日を耐えた実績がありますが、かなりあせって加温と保温対策をして翌日には最低温度25℃以上を維持できるように対策しました。

 

安心して飼育するためには外が氷点下となろうとも飼育環境は大きく冷えないような断熱が必要があると考えます。

 

理想のケージ

 

ケージサイズは可能な限りの大きいものを選択します。

 

インドホシガメを含むリクガメはかなりの運動をしますので、十分に歩き回れる広さを確保する必要があります。

1歳以下のベビーや体調を崩している個体であれば60cm規格水槽サイズのような狭いケージで確実な温湿度管理を徹底することに注力するほうが良いですが、健康な個体をそのまま元気に飼育したいのであれば120cm×45cm程度の床面積はインドホシガメ飼育に必須です。

 

上記床面積があれば♂の終生飼育は可能であると思いますが、♀にはちょっと狭く感じます。

 

順調に成長すれば、♀は4歳程度で甲長20cm程度になりますので、120cmサイズであれば横60cm程度は欲しいところです。

 

それだけの広さを用意してやるとかなり歩き回り、運動不足を解消できると思います。

 

運動不足は便秘や結石につながってしまいます。

 

また、十分に運動できている個体は成長が早く、病気にも強いと実感しています。

 

リクガメ飼育にはしっかりと歩き回れるだけの広さを考えた環境の確保も重要な要素であるといえます。

 

僕はインドホシガメ飼育の楽しみのひとつが歩き回る姿の観察であると感じています。

 

休んでいる姿も可愛いですが、元気よく歩き回って一生懸命に力強く床を踏みしめ前に進む姿にはかなり癒されます。

 

また、冬場にむけてはケージを断熱して、内部温度を安定して維持できるようにするのも重要な要素です。

 

断熱をしっかりと考えて設備を構成していると温度を維持するために必要な電気代がかなり違いますし、何より外気温に飼育環境の温度が大きく左右されなくなります。

 

外気との断熱がしっかりとしていないと急に来た寒波に対応できなかったり、保温器具の故障によって急な温度低下を引き起こしたりと飼育が安定しません。

 

冬場はしっかりと断熱をしたケージで飼育することが安全にインドホシガメ飼育を行うためには必要です。

 

また、シェルターについてはあってもなくても問題ないと考えますが、設置する場合は必ずシェルターの位置をホットスポットにします。

 

シェルターを設置したとしても性格によっては使わない個体もいますが、シェルターの意味は休憩ポイントとして安心できる場所を作ることですので、必ずパネルヒーターなどで保温をして使いやすい状態にしてやるとよいでしょう。

 

我が家ではシェルターに登ることを頑張る変わり者もおり、本来の使い方でない運動器具に活用されています。

 

▼インドホシガメの岩登り

初期のストレス削減のためにお迎え時にはあっても良いとは思いますが、設置するかどうかは飼育者の好みで良いと思います。

 

インドホシガメの多頭飼育

 

インドホシガメは温厚で多頭飼育はほぼ問題なくできますが、ほかの種と同じでやはり♂どうしの顔合わせには注意が必要です。

 

♀の複数頭は全く問題ありませんが、♂の場合は他の個体に威嚇することがあります。

 

その場合、弱い個体が衰弱していく恐れもあります。

 

特に♂2頭だけの場合は相性が大丈夫か注意深く確認する必要がありますし、推奨はできません。

 

♂とあわせる場合は複数頭の♀が一番安定します。

 

我が家では♂2頭と♀4頭の多頭飼育を維持できていますが顔合わせの時には必ず注意深く相性を確認して、温浴などで便を確認してしっかりと食べているか見ていました。

 

いくら温厚なインドホシガメとはいえ、リクガメが一か所に複数頭いる状態は自然ではほとんど起こらないので油断することはできず、かなり気を使って観察できる技術を身に着けてから飼育頭数を増やし、多頭飼育をするならば挑戦といった流れがよいと思います。

 

要点まとめ

長々と僕がインドホシガメを飼育してきて重要なポイントだと感じた事を記載しましたが、一番のキモは温湿度管理です。

 

以下、要点まとめです

  • 安全な飼育は温度28~32℃、湿度70%キープを目標に!
  • 最低温室度は温度25℃、湿度60%
  • 上記を下回ったらすぐに対策を!
  • ケージは120cm×45cm以上が必要
  • ♀成体の場合はもう一回り大きく!
  • シェルターはあってもなくても大丈夫!
  • 多頭飼育飼育は可能だが♂どうしの相性には注意が必要

 

最低でもインドホシガメ飼育はこれだけの条件を揃える必要があると考えています。

 

なかなか設備費用や電気代がかかる生き物です。

 

飼育しているのは好きだからであり、軽い気持ちでは飼えない種であると感じています。

 

それでも、同じ気持ちで「飼いたい!」と思う人のためにも我が家から国内CB個体を出したいものですね。

 

まとめ

 

僕はインドホシガメを好きで、この種が大好きだからこそ大変なことがあっても毎日欠かさず世話をして2年目からやっと飼育と呼べるレベルまでこの種を理解できました。

 

ですが、それでも突然死を経験し、冬場に完璧に死を回避して飼育するといったことはできませんでした。

 

 

インドホシガメは本当に大変で難しく、飼育していて息詰まることがよくあります。

 

ですが、好きだからこそ繁殖を成功させてこの種の保全に貢献したいと思って飼育を続けています。

 

そのため、ほかの飼育者の助けになる情報は率先的に出していきたいですし、体系的にインドホシガメ飼育をまとめた技術を確立したいと思うのです。

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kamesaki

インドホシガメ飼ってます🐢 カメラもやってます📷 プログラムやDIYとかいろいろやります 超趣味人な生活を楽しむ人生を目指して日々精進!

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9件のフィードバック

  1. ナイン より:

    はじめまして、ナインと申します。
    うちに3匹インドホシガメが居るのですが、そのうちの1匹メスのワイルドの子が成長不良で困っています。飼育環境は、上で書いてある通りになっています。何かスイッチが入る方法があったらアドバイスをいただきたいです。

    • kamesaki より:

      ナインさんこんにちは!
      我が家でもワイルドと思われる個体は成長がゆっくりですね。
      体重が増えるときは一気に増えますがその後はかなりの期間停滞続きです。

      我が家では今、昼間は直射日光に当てて、屋内ですが2㎡くらいの広い面積を確保して歩かせています。
      この季節ですので通気性もいい環境でほぼ放牧状態となっていますがいい感じに成長スイッチが入ってきています。

      せっかくの夏ですのでベランダやあれば庭で放牧してみたらいかがでしょうか?
      まだ通気性と体調の関係は十分に検討する材料がとれていませんが、我が家では今のところ体調を上げる効果がうっすら見えております。
      また、かなりの時間日光浴をしているので、直射日光も効果があるかと思います。

      確信をもって「これ」といったものを私もまだ見つけられていませんが、ご参考になれば幸いです。

      • ナイン より:

        こんばんは!
        アドバイスありがとうございます!
        屋内で直射日光はいいですね!明日から、ベランダに出してあげようと思います。やっぱライトより太陽光ですね!夏の間に少しでも、大きくなってもらいたいですね。

        僕も国内CB目指しているので、これからもよろしくお願します!

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